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小田明志

1991年東京生まれ。高校在学中の2009年に雑誌「LIKTEN」を創刊。Amazon雑誌ベストセラーランキングで2位を獲得した第2号、水原希子らと共に作品を発表した第3号に続き、2014年には坂本龍一を特集した第4号を発行。慶應義塾大学SFC卒業後は、出版ベンチャーLIKTEN.LLCの代表として、サッカーカルチャー誌「OFF THE BALL」の出版のほか、あらゆるメディアのプロデュース、コンサルティング、企画、編集を行っている。

info@likten.jp

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蓮實重彦の会見は、本当に「ロック」なのか?

May 18, 2016

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昨日は取材で新潟は長岡へ。5時に出発して7時すぎには新潟にいるってなんだか不思議な気分ですね。夕刻からは、居酒屋好きの友人に教えてもらった「魚仙」へ。新潟の地酒80種類から選ぶ人気の飲み比べセットから、お刺身、メバルの唐揚げあんかけ、などなどをひとりで堪能。気分は孤独の...ではなく、吉田類だ!笑

そして東京に帰ってきたら、蓮實重彦氏の会見が話題になっているではありませんか。

蓮實重彦さん、報道陣に「馬鹿な質問はやめていただけますか」 三島由紀夫賞を受賞

恥ずかしながら(とも思ってねぇけどな!)彼の著作は僕には難解で、作品に関して言えることは全くないのですが、これが、彼によるお馴染みのパフォーマンスであることくらいは一瞬で分かります。それが田中慎弥の「もらっといてやる発言」と同じくらいのノリで、ちょっとロックなおじいちゃんみたいに扱われ、「嫌なら辞退すべき」なんて雑草の養分にもならない批判をされているのをみて、なんとも言えぬ切なさを感じました。

蓮實・元東大総長の「ロック」な記者会見が話題 三島賞受賞も「80歳の人間に、はた迷惑」

この切なさは、今日のネット時代においてはこういう「ロック」な振る舞いは、基本的には弱者の戦法であると同時に、絶好のネタである、というのが原因なんだろう。蓮實重彦のような怪物の言動が、弱者の戦術とみなされ、その他大勢と同じように消費されていく。「100年前の名将が得意とした戦術が、現代においてはごくありきたりになっただけでなく、ちょっとしたネタの対象になってしまっている」という現場を目撃してしまった、という感じに近い。

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ダン・アリエリーの恋愛入門

May 16, 2016

「Talks at Google」というグーグルが主催するカンファレンスイベントに、以前ここで紹介した「ずる」という本の作者ダン・アリエリーが出演していた。テーマは「デートと交際について」。


有料会員にならないといけないようですが、日本語訳はこちら

デート...なんて甘美な響きなんだ!しかしその響きとは正反対にデートとは、渋い現実を突きつけられる場でもある。笑

行動経済学の教授であるアリエリーは、そんなデートを自らの専門分野に関わるエピソードを交えて分析する。

たとえば、学生に写真を撮らせた後、その中からお気に入りを一枚を選び出させる。一方のグループには、現像が終わるまで2週間がかかるとだけ伝え、もう一方には現像が終わる2週間の間に、選んだ写真を変更することもできる、と伝える。実際に写真を変更する学生はいなかったが、自分の選び出した写真への愛着度は変わった。前者は自分の選んだ写真に強い愛着を持った一方で、後者のグループはそれほど強い愛着を示さなかったという。

アリエリー教授はこの実験を例に挙げて、常に片足が外を向いている恋愛には意味がないと語る。なぜなら、より良い選択肢がある可能性を指摘されている状況下では、現在の交際に十分な投資を行うことが難しいからだ。

テクノロジーの進化は、人との出会いを妨げる障壁をかぎりなく低くした。Tinderのようなアプリは「まだ見ぬ恋人」を探し出せるかもしれないという期待感さえ抱かせるが、同時に、その期待感が既存の人間関係への積み上げを阻害する一因にもなっている。要はバランスが大事、ということだが、こんなありきたりで無難な締めを良しとしている男(もちろん俺のことだ...笑)はデートでもダメな感じしかしないぞ!

今月出たばかりのアリエリー先生の新著「アリエリー教授の人生相談室──行動経済学で解決する100の不合理」、まだ途中まで読んでいませんが、これも面白いのでおすすめ。

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リベラルのことは嫌いでも...

May 11, 2016

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今朝東横線にのっていたら、「リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください - 井上達夫の法哲学入門」の広告が目に入った。

今日「原発反対」、「憲法守れ」このふたつが言っているだけなのにリベラルを自称する人のなんと多いことか。このふたつに加えて「金持ちは税金払え」これが言えると尚よし、という感じで、「リベラル」という言葉が、政治思想というよりはブランドタグに近い形で使われているように感じます(それが一概に悪いとも思わないけれど)。僕も政治的立場はリベラルなはずなのに、リベラル派らしき人が言っていることに賛同できないという場面が多いので、「リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください」というタイトルは、そのジレンマを表す言葉としても、とりあえず本を手にとらせるタイトルとしても良いな、と思ったのです。とはいえ、僕はこの本を読んでいないのだけれど。笑

そして今日も、「リベラル嫌い」に拍車がかかりそうな記事を発見。

朝日新聞デジタル - パナマ文書、闇の一端 タックスヘイブンの金融資産、日米GDP合計以上か

「税公正ネットワークのスタッフの試算では、世界の富裕層がタックスヘイブンに持つ未申告の金融資産は、2014年時点で24兆ドル(約2570兆円)~35兆ドル(約3750兆円)にのぼる。米国と日本の14年の国内総生産(GDP)の合計約22兆ドルを上回る規模だ。その額は、21兆~32兆ドルと試算した10年時点より増えている。」

いやいやいや...仮にそんなに莫大な資産があったとして、それはいったいどういう形で持っているんだ!?現金はそんなに印刷されていないはずだし、株式だった場合、3750兆円って世界中の会社が発行している株式の何%にあたるのだろう。すこし考えればかなり疑わしい数字だと分かるだろうに...。「金持ちは税金払え」と主張するのは自由だが、その主張ありきで適当なデータを引っ張ってきて議論しようとするのは、政治思想以前の問題ですが。

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