「ハイパーモビリティ」。
December 28, 2008
この年末のロンドンの賑わいぶりは、凄まじい。
史上最高の記録的人出に、クリスマス商戦の売り上げも、昨年比で21%増加。
デパートに入るのにも、入場規制があり長蛇の列。
ポンドやイギリス不動産の下落は、ご存じの通りだが、報道で見る悪い数字と、現実のかい離に僕自身も驚いている。
アメリカとは、対照的だ。
不況を睨んだ早めからのセールスも功を奏している。
対円で考えると、この夏10万円だった商品が、為替変動により5万6000円。
それが歳末セールの60%オフで、2万2400円。
さらに、政府の特別減税措置とEU外からの人々は免税で、もう15%オフのおよそ1万9000円。
数か月前に10万円だったものが、いまや1万9000円!
それもH&Mから、高級ブランド店まで、すべてである。
午後2時に行った僕は完全出遅れで、こんなになくなるの?というくらい商品はない。
個人的な買い物だと、32GBのSDカード。
東京の家電量販店で有名メーカー製品だが、3万円前後。
秋葉原やネットで探すと1万5000円である。
それが、いまのロンドンだと、およそ7000円だ。
信じられないが、世界でもっとも物価が高かった街が、もっとも安い街に一瞬で変わった。
今後、このような価値の180度の転換が、あらゆるジャンルで続々起こるだろう。
実は、ロンドンで買い物をする多くの人々は、外国人だ。
わざわざ近隣諸国からやってきて、日用品までも、この時期に買っている。
それもそのはず、この時期スペインからの航空券は、片道3000円前後からある。
格安航空会社の恩恵である価格は言うまでもないが、ポンド対ユーロでユーロが強いことも要因。
それ以上に、わざわざ飛行機に乗って買い物に行く、というライフスタイルが確立しているのが面白い。
そのようなライフスタイルは、「ハイパーモビリティ」と呼ばれている。
この「ハイパーモビリティ」とは、
オックスフォード大学のスティーブン・ヴォートヴェック教授が提唱した概念で、
航空運賃が安くなると爆発的に流動人口が増え、
遊びや仕事の場所や機会が大きく変容を遂げる、というものである。
それはポスト・インターネットとも言えるし、あたらしい民族大移動の時代の幕開けとも言える。
大きな変化に対して、素早く動けることは、この時代、なによりも重要なことである。
昨今のグローバリゼーションの正体は、アメリカナイゼーションだということが日々露呈し、
本当のグローバリゼーションとはなにか、を人々は楽しく買い物をしながら実感しつつあるよう、僕には見える。
僕も買い物をしながら、あたらしいグローバリゼーションを感じたい、と今日も街に出る。






