サン・セバスチャン。
August 12, 2009
いま世界で一番美味しい街、と呼ばれるスペイン・バスク地方、サンセバスチャン。
二十年前、世界で一番美味しいところはどこ?と聞かれたら、
イタリアのトスカーナと即返事していたと思うが、
いまのイタリア・トスカーナはかつての食の都の栄華はなく、
スペインのバスクか、おなじスペインのジローナにその座は完全に奪われてしまった。
実際、世界トップ10レストラン中、いまや半分がスペインでイタリアは皆無。
その二店がこの地にある。
人口18万人の小さな町、サンセバスチャン。
スイスのような美しい町並みと海と山に囲まれた素敵な場所。
ミシュランの星でも、人口比に対する星の数は世界ダントツで、
海あり山あり何を食べても美味しい、という食通評判の町。
この夏は、ここでしばらく過ごすことにした。
まずは、この地を代表するピンチョスから。
ピンチョスとは、小さなパンをお皿代わりに使ったこの地方特有の料理。
有名なピンチョス屋が密集する「8月31日通り」を歩き、
目指す店は、一昨年のピンチョス大会グランプリのFeugo Negraへ。
これは凄い!
いままでとても美味しいと食べていたバルセロナのピンチョスが冗談のよう。
ピンチョスというより、超小皿ヌエバ・コシーナというか完全にあたらしい料理。
僕のお気に入りは、ミニミニサイズのハンバーガー、その名も「マック神戸」と、
とても難しい名前で覚えられなかった逸品。
バスク語は、ラテン語から発生していないので、皆目見当もつかない。
バスクの人々は、謎に包まれている。
いつどこからやってきたかも、いまだにわからない。
フランスとスペイン国境にまたがり、
しかしラテン人種とはまったく異なる。
気質も信じられないほど頑固で、しかし人なつっこい。
実に魅力的。
バスク系アルゼンチン人、チェ・ゲバラや、
ヨーロッパ最強と言われたテロ組織ETA(バスク、自由と祖国)の活動からも、
その頑固でありながらも、どこかとても魅力的であることはよくわかる。
いまは、食文化で世界に喧嘩を売っている。
世界の中国人などを見ればよくわかるが、
平和の時代の他国への侵攻は、
武力や政治経済だけではなく、食から草の根的にその国にジワジワと入っていくと思われる。
最近、アフリカ中で中華料理の店が増えたことからも、自身の実感としてある。
外交的に食文化が益々重要な戦略になるのは、間違いない。
この街、サンセバスチャンの魅力に、もう少し迫ってみたいと思う。






