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January 29, 2013 , 1:50 PM
4Kテレビ。
4Kテレビが話題だ。
3Dに懲りずに、またこのようなモノを出して、
本当に家庭にこれらを必要とする人がどれくらいいるのか、
わかって作っているのか、まったくわからないで作っているのか、
どこかで作った人に聞いてみたいと思っているが、
映像制作者としては、場合によっては重宝し、これでフィルムはまた一歩墓場に近くなったのは確かだろう。
昨年末、久しぶりに日本で年末年始を過ごし、
久しぶりに「紅白歌合戦」をチラ見したが、
出演者の数にビックリした。
無意味に演歌歌手の後ろに、団体を配置するのに善し悪しはともかく、
十年後には、総出演者はのべ1000人を超える事になるのではないだろうか?
現在、日本のテレビが創出しているのは「みんなでやってる感」である。
インターネットに顧客を取られたテレビは、テレビでしかできないことをそれなりに考え、
それは、大画面で「みんなでやってる感」を演出し、
視聴者をその「みんな」に入れてしまう手段である。
よって、テレビは日々「みんなでやってる感」が跋扈し、
これには、この正月最高興行収入を出した「ワンピース」から「サッカー」の国際試合までこれに含まれるのだろう。
この「みんなでやってる感」」をインターネットに持ち込んでしまうと、
せっかくのインターネットの利得が、半減されてしまう。
インターネットが素晴らしいのは、強い個人を生み出せる事であって、
「みんなでやってる感」のためのメディアではない。
この「みんなでやってる感」をSNSから社会運動まで持ち込んでしまうと、
それは、結局テレビやマスメディアの術中にハマっていることになる。
本来、「ワンピース」も「サッカー」も強い個人の集合体なワケだが、
テレビをと通じると「みんなでやってる感フィルター」を通されてしまうので、
人々は強い個人の集合体であることを忘れ、
自分もその「みんな」に入ってしまう。
ここに、テレビもインターネットも危険性を孕んでいる。
なぜなら、それは「ソフトなナショナリズム」に向かうからである。
そして、この不特定で匿名性が高い「みんな」こそが、日本式システムが作り出す「空気」の源に他ならない。
結果、テレビが「空気」を支配する。
さて4Kテレビ。
「みんなでやってる感」を出したいなら、4Kより画面比率を21:9にしたほうが、いいのではないだろうか。
いまより横長になるので100人ぐらいのユニットも出せるだろうし、
二画面均等分割すれば、AKBとNMB(だっけ?)を同時に楽しめ、それは人によっては至福この上ないだろうし、
大情報時代にあった感性のハードウエアで、なにより「同時に2ソース見る」ことで視聴形態が変わる。
メディアの変革期には、この視聴形態が変わる事が大事なワケで、スペックの向上などはどうでもよい。
ウインドウズ95以降本格化した、人々の「非モバイル時のマルチタスク感性」が一般化し、もうすぐ二十年。
テレビは解像度より、二画面均等分割のようなマルチタスクや視聴形態の変化を目指すべきで、
いまより横長の21対9画面は、演出する側の「みんなでやってる感」の創出に合致し、
なにより、二画面で皆見るようになれば、視聴率は倍になるので喜ぶ人も増えるのではないのか?
「なんとかドラマ初回50%越え」のように。
HUT は変わらないけどね。
なんでも4Kテレビは、2014年から放送を開始するようで、その次は8Kだと言う。
どこまで本気なのか、冗談なのかわからなくなってきた。
4K放送より、マルチで番組を見る様な視聴形態が変わるかが鍵になるだろう。
もっと根本的なことを言えば、面白い番組がなければテレビに愛着わかないから買い換えたいとも思わないわけで、
コンテンツの時代とか言いながら、家電メーカーが不調なことと誰も結びつけないけど、
極論を言えば、シャープを苦境に追い込んだのはテレビ番組がつまらないことが大きいと思うわけで、この話しはまた別の機会に。
どうみても、日本のテレビはハードもソフトも産業として終わりに向かっていると思うから。
長くなりましたが、このようなわけで4Kテレビは当面家庭には必要ないんだと思いますが、
ブラジルワールドカップの際には、国家をあげて国民に4Kテレビがゴリ押しされることになるでしょう。