即興性が生み出す色使いとストローク
2024年11月21日(土)〜12月15日(日)に開催
Text Takaaki Miyake
週末の“To Doリスト”に加えておきたい、今見るべきアート展を毎週金曜日に紹介するHONEYEE.COMのMUST-SEE ART。今週はファッションブランド Christopher Nemeth(クリストファーネメス)でクリエイティブディレクションも手がけるアーティスト、Lui Nemeth(ルイ・ネメス)による個展をピックアップ。
数々のファッションデザイナーを輩出するイギリス・ロンドンの Central Saint Martins(セントラルセントマーチンズ) を卒業後、現在は東京を拠点に作家として活動する Lui Nemeth をご存知だろうか?
同アーティストは創作プロセスに深く根ざした独自の視点から、現代絵画にアプローチすることで作品を制作。その中で物理的な形や物体は意図的に排除され、内面の奥深くにある表現しがたいものを探求している。
Lui Nemeth, Mauve Red Shade, Oil Paint, Pastel and Charcoal on Paper, 1050 x 750mm, 2024 Courtesy of the Artist, The Mass
©Lui Nemeth Courtesy of The Mass
それゆえに明確な具象表現を避け、直感や即興性から生まれる色使いやストロークといった、複雑な要素が統一されることで作品の中に生まれる調和が特徴的だ。
Lui Nemeth, Payne’s Grey Light, Oil Paint, Pastel and Charcoal on Paper, 1050 x 750mm, 2024 Courtesy of the Artist, The Mass
©Lui Nemeth Courtesy of The Mass
今回の展示「Chromatic Studies」では、様々なメディアや材質を通じて感情の風景を投影したアートワークが並ぶ。それらの絵画は特定の意味を探ることなく直感的に伝わるものであり、感情の現実としての存在を探求する手段だという。
コンセプチュアルな文脈から生まれた作品とは言え、アーティスト自身が唱えるように直感的に作品の世界へ浸るべきなのかもしれない。
<Information>
Lui Nemeth「Chromatic Studies」
会期:2024年11月21日(土)〜12月15日(日)
会場:The Mass 東京都渋谷区神宮前5-11-1
会館時間:12:00〜19:00
休館日:月曜・火曜