デスティネーション・ストア | HONEYEE.COM的個性派シティガイド
2025.06.27

File 067:greeting(愛知県・名古屋市)
信頼のおけるコーヒーとワインと洋服と

HONEYEE.COMが選んだ“目的地になる店”を紹介する連載「デスティネーション・ストア」。今回も愛知県は名古屋市で見つけた、だけど中心地からは“少し”遠いコーヒーとワイン、服や雑貨が一度に全て欲張れる「greeting(グリーティング)」。

Text Takaaki Miyake

食もファッションも主役に

前回のFile 066で登場した「THIRD PLACE」より、さらに中心部から離れる名古屋市北区・清水。近くには愛知県内でも有名なジンギスカン店はあるものの、ローカルに根付いたエリアなのは間違いない。

この場所だからこそ誕生した、まさしく目的地にしないと辿り着けないとっておきの店、それが今回の「greeting」だ。住宅地の中でひっそりと佇む建物の扉には印刷所だった跡を示すサインがあり、その歴史も感じさせる同店のユニークな目印。

今年2月にオープンした「greeting」を手がけるのは、長年ファッション業界で経験を積んだオーナーの天羽幸一さんと、ソムリエ・バリスタとして両方の顔を持つ智子さん夫妻。店内にはそんな二人が愛してやまない、スペシャリティコーヒーとナチュラルワインに加え、セレクトされたブランドやヴィンテージのアイテムが同居する。

フランスで訪れたワインバーから影響を受けたという、アイコン的なラウンド型のカウンターで提供されるコーヒーメニューには、東京・経堂のロースタリー「Raw Sugar Roast (ローシュガーロースト)」と下馬「Sniite(スニート)」の豆を使い、この味が揃うのも名古屋ではここだけ。

さらに幡ヶ谷「kasiki(カシキ)」によるハーブやスパイスの香り高いアイスクリームのフレーバーに、その魅力をさらに際立たせるワインとのペアリングも楽しめる。ワインは数々のナチュラルワインを飲み続けた末に出会った、信頼のおけるインポーターから厳選。沖縄「TESIO(テシオ)」によるドイツ製法の手作りソーセージやハム、レバーパテを中心とした軽食まで揃えば、なんなく数時間は滞在してしまいそうになる。

そんな「greeting」のB面とも言えるスペースが、店内の奥に広がるセレクトショップとしての空間。オープン前から心に決めていたというDIGAWEL(ディガウェル)、パジャマブランドのNOWHAW(ノウハウ)をベースに、現在はパリで買い付けたヴィンテーのアイテムをミックス。

手吹きならではのシェイプがユニークな作品の数々は、パリに工房を構えるガラスブランドのLa Soufflerie(ラ・スフルリー)によるもの。グラスは店内でも使用されており、実際にコーヒーを飲んだ後だと、余計についつい手に取りたくなる。

他にも逗子を拠点とする、英国ヴィンテージワックスジャケット専門店「British wax-jacket market(ブリティッシュワックスジャケットマーケット)」によるBarbour(バブアー)のワックスジャケット、DIGAWELとの別注Tシャツなど、ファッションの軸も奥行きを徐々に広げている。

「これからはやっぱりもっとエクスクルーシブなアイテムを出していきたいですね。そうやってここに足を運んでもらうきっかけを、一つでも多く作っていけたらと思います」

“オーナーの天羽(幸一)さんはそう話すが、コーヒーもアイスクリームも、ワインもファッションも一つの空間で心ゆくまで堪能できる。それだけでも「greeting」へ“挨拶”しに行く理由となるはずだ。

DESTINATION STORES | File 67
グリーティング | greeting
住所:愛知県名古屋市北区清水1-9-8 青山ビル1F
営業時間:10:30〜20:00
定休日:火曜
https://www.instagram.com/greeting_official/