BEHIND THE PRODUCT #10
2022.04.26

ファッションプロダクトのストーリーやその裏側にあるあれやこれやを、少しだけ厳しい目線と深いプロダクト愛でお届けする好評連載企画。雑誌『PRODISM』編集長の渡邊敦男と『HONEYEE.COM』編集長の武井幸久、そしてスタイリストの来田拓也が毎回テーマを決めてピックアップしたモノについて縦横無尽に語ります。今回も5つのブランドから最旬アイテムを厳選ピックアップ!




Edit&Text : Atsuo Watanabe(PRODISM)&Yukihisa Takei(HONEYEE.COM)
Styling : Takuya Raita
Photo : Kengo Shimizu


White Mountaineering × GRAMICCI

ワイドショーツ

“スウェットだけど、ガゼットクロッチ仕様なのがいい”(武井)

来田拓也(以下 R):White Mountaineering × GRAMICCIのスウェットショーツです。

渡邊敦男(以下 W):これスウェットなんだ。

R:スウェットで総柄、しかもGRAMICCIってなかなか珍しいなと。他にもフルーツ柄とかあったんですけど、今回は穿きやすそうなのをチョイスしてきました。

W:柄といえばWhite Mountaineeringだもんね。

R:相澤(陽介)さんが鳥類が好きらしくて、鳥モチーフはそこからみたいです。

武井幸久(以下 T):スウェット生地のGRAMICCIって、インラインでも作ってるの?

R:シーズンによってはあると思いますけど、ド定番ではないと思います。

W:サイジングが大きくて、ワイドショーツみたい。

T:スウェットだけど、ガゼットクロッチ仕様なのがいいよね。履きやすそうだし、季節的にそろそろ着れそう。

W:もうすぐ発売?

R:今月(4月)発売予定で、4デザインでの展開です。

W:好きな柄を選びましょう。

ロッククライミング用に開発され、今やストリートの定番となったGRAMICCIのショートパンツ。180度の開脚が可能なガゼットクロッチ、片手でウエストを調節できるウェビングベルトなどの仕様はおなじみ。White Mountaineeringは前シーズンに引き続いてのコラボレーションとなり。4種のオリジナル柄を総柄プリント。スウェットのようなコットンを使用した柔らかな素材となっている。

White Mountaineering × GRAMICCI
ワイドショーツ ¥28,600(White Mountaineering)
TEL : 03-6416-5381



CDG × BE@RBRICK

Tシャツ

“シンプルだけど、さすがデザインされてる感じですね”(来田)

R:CDGとBE@RBRICKのコラボですが、今回はフィギュアは出なくて、Tシャツだけです。

T:このコラボは初めて?

R:初ですね。これでフィギュアもリリースされたら、更に話題になりそうですけど。

T:多分だけど、ティーザー的な感じで、フィギュアも出ますよ、っていうサインなんじゃない?

W:これはBE@RBRICK好きな人へのコレクションピースでしょうね。このTシャツって前身頃だけ長いの?

R:よく見るとそうですね。シンプルだけど、さすがデザインされてる感じですね。

T:CDGだからプライス的にもリーズナブルだろうし、売れそうね。

W:単なるカットソーじゃないのか。裏は無地?

T:裏はシンプルに無地。こういうの大人が着ると意外と良いんですよね。

COMME des GARÇONSのCDGとBE@RBRICKによる初のコラボレーション。ブラックとホワイトの生地で、プリントもモノクロのクールな仕上がり。今回BE@RBRICKのフィギュアの発売情報はないが、ひょっとすると今後発売に向けたティーザーの可能性もある?

CDG
Tシャツ (黒) ¥12,100、 Tシャツ(白) ¥9,900(COMME des GARÇONS)
©️2022 MEDICOM TOY
TEL:03-3486-7611​​




WACKO MARIA

バスキアシャツ

“冬シーズンにアロハシャツをリリースして完売するのって、WACKO MARIAだけでしょ” (渡邊)

T:今度はバスキアか、最近のWACKO MARIAは話題が尽きないね。

R:WACKO MARIAは、最近また勢いが増してきている感じがしますね。

T:上手いなと思ったのが、この前出たビル・エヴァンスの総柄のアロハシャツ。ポートレートをプリントするだけで、こんなにカッコよくなるんだって。自分で着るかは分からないけど、この意外な組み合わせでもしっくりくる落とし所がさすがだなって。

R:柄モノの開襟シャツをずっと作ってて、ブレないブランドですよね。

W:冬シーズンにアロハシャツをリリースして完売するのって、WACKO MARIAだけでしょ。

R:Instagramに投稿されてる動画とかもすごく面白いですよ。海外でも人気あるみたいですし。

T:バスキアのコラボって世に溢れてるけど、選んだグラフィックとハワイアンシャツを合わせたときに、ちゃんとWACKO MARIAらしさを表現できてるのが凄いよ。

R:東京ストリートブランドの頂点にいる感覚は受けますよね。

W:WACKO MARIAってスタッフもカッコイイんだよね。新しい世代が新しいWACKO MARIA像を作っているサマは注目に値します。

R:スタッフ自ら盛り上げてますし、周りを巻き込むのも上手ですよね。

W:ここのアロハシャツ、そろそろ一枚買おうかな。

WACKO MARIAを代表するアイテムである開襟のハワイアンシャツ。これまでもこのキャンバス上でさまざまなコラボレーションを展開しているが、今回はグラフィティアートのレジェンド、ジャン=ミシェル・バスキアの作品が登場。

WACKO MARIA
バスキア シャツ ¥38,500(PARADISE TOKYO)
TEL : 03-5708-5277
© Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York.




Graphpaper

ガーメントダイ ポプリンシャツ

“着ると都会的な雰囲気で、東京のスタイルにハマる。シンプルだけど良いモノって感じ”(来田)

R:シンプルなアイテムが多いGraphpaperの中で、この白シャツが一番目を引くカッコよさでした。

T:お!この二重織のシリーズと同じ薄手のコートを今日着て来たんだけど、すごく使いやすい。実は展示会オーダーしたの忘れてたくらいなんだけど(笑)、着始めたら最高でここ最近はずっと愛用してる。

R:Graphpaperって着ちゃいますよね。

T:そう。持ってるとつい着ちゃう。

W:今の東京ストリートを代表するブランドだよね。地方のお店でもすごく売れていると聞くし。シンプルだから飽きがこないのは当たり前だけど、素材感とシルエットは抜群に考えられてるよね。

R:着ると都会的な雰囲気で、東京のスタイルにハマる。シンプルだけど良いモノって感じです。

W:物の写真だと服の良さが伝わりにくいんだけど、コーディネートとか着用することで魅力が分かるブランドだよね。

T:この同じシリーズのコートは最近買って良かった思うもののひとつかな。当分着ると思う。

R:このシャツはビックサイズですけど、着丈が程よく短くて合わせやすい一着かなと。

W:南(貴之)君も巨匠の域に達してきたね。

T:東京の風景を少し変えたんじゃないかな?

W:Graphpaperも今やコレクションブランドだし、素材とか縫製のこだわり方も半端ない。これだけベタ褒めしたので、南くん、今度なんかおごってください(笑)。

南貴之が手がける東京ブランド、Graphpaperによるポプリンシャツ。繊細な糸番手で製織したブロード生地を表裏に使用した無双仕立てで、太番手の糸で巻き縫いし、製品染めをすることで出た縮みによる独特な風合いが特徴。繊細な素材に相反するミリタリーテイスト溢れるディテールも魅力。

Graphpaper
ガーメントダイ ポプリンシャツ ¥39,600(Graphpaper)
TEL : 03-6418-9402




is-ness

バルーンシャツ

“白黒ばかり着ているせいか、蛍光Tってつい欲しくなるよね”(武井)

R:is-nessの蛍光Tシャツです。

T:モノとしてすごく好きだな。

W:うん、コレは良い。

R:is-nessって実際に着ると、すごく良いんですよね。このバルーンシャツはシルエットが今っぽくて、ストラップが付いてるのも、今までにありそうでなかったというか。

T:コレでLサイズなんだ。かなりでかいね。最近普段はXLだけど、これならMでもいいくらい。

R:夏はサイズ感が大きい方が楽ですけどね。

T:蛍光Tってつい買っちゃうんだけど、たまに無性に着たくなることありません?

R:今ってモノトーンにこういう色を差すのトレンドですしね。

T:いつも白黒ばかり着てるせいか、たまに大胆に気分変えたくなるんだよね。

W:俺は黒を買おうかな。

T:それにしてもis-nessって長く続いているブランドだね。

R:昔からこのシルエットは変わらないので、今っぽさを意識してるブランドじゃないかと。

W:コレは値段も手頃だし売れるだろうね。

T:ロゴが入ってないのも好印象だな。

is-nessによるヘビーウェイトなコットン天竺のバルーンTシャツ。 ビッグシルエットで、裾スピンドルを絞ることによってシルエットの変化も楽しめる。今回紹介した蛍光色の他にもベーシックなカラーが揃っている。

is-ness
バルーンシャツ ¥13,200(alpha PR)
TEL : 03-5413-3546

(左から) 渡邊敦男(『PRODISM』編集長)、スタイリスト 来田拓也、武井幸久(HONEYEE.COM)



渡邊敦男(『PRODISM』編集長)

1973年生まれ。『Asayan』、『Huge』などの編集を経てフリーランスに転身。2013年にプロダクトにフォーカスした雑誌『PRODISM』を創刊し、現在も編集長として活動中。メンズファッション、スニーカー、ストリートウェアに通じており、独自の美学を持つ。

スタイリスト 来田拓也

1986年生まれ。甲斐弘之氏に師事し、2012年に独立。メンズファッション誌を中心に活躍。トレンドを敏感に取り入れたプロダクトスタイリングにも定評がある。現在アシスタント募集中。

武井幸久(HONEYEE.COM)

1972年生まれ。雑誌『EYESCREAM』の編集者を経てHONEYEE.COMの編集長に就任しつつ1年で退任。フリーの編集者、クリエイティブディレクターとしてブランドサイトやメディアの立ち上げに携わり、2021年秋にHONEYEE.COM編集長に出戻り就任。