alk phenixのConvoy jacket
日本の四季がはっきりしているせいなのか、はたまた日本人が凝り性なのか。機能的な素材、ディティールを備えたタウンウェアは日本で数多く醸成され、世界からも注目されている。そんなファッション×ファンクションなプロダクトをHONEYEE.COM編集部で厳選し、毎週1アイテム紹介する「今週のシティテック」。#1は復活を遂げたalk phenixのコンボイジャケット。
Edit&Text Yukihisa Takei
Photo TAWARA(MagNese)
復活を遂げたシティテックの雄
一度終わってしまったブランドが復活することは割と少ない。そんな中で嬉しかったのは、今シーズンのalk phenixの復活だ。alk phenixはスキーウェアなどで知られるphenixから派生したブランドで、街を“歩く”ことをテーマに、ファッション性と機能性を盛り込んだウェアを展開していた。
テック素材を使いながら、軽量性とストレッチ性を備えたアイテムが多く、かなりコアなファンも獲得していたが、2020年に突然のブランド終了。「もったいない!」という声は周囲でも多かった。しかし突如として、そのalk phenix復活の狼煙を告げるとんでもないアイテムがいきなり登場した。それがこのコンボイジャケットだ。
パッと見から、ミリタリー感もあるとてもいい感じのハーフ丈のジャケットだ。しかしこのジャケットの特異性は、フロントに無数のポケットが仕込まれていること。しかもポケットの中にさらにジップがあるなど、数えるのが面倒になるほどのポケット数だ。(実際にはポケットは14個ある)
ポケットが多すぎ、だけじゃない。
これは「極力手ぶらで歩きたい」という“シティテック派”特有のリクエストを叶えているわけだが、それにしても振り切り過ぎ。ただ、このポケットたちがデザインとして機能しているのは、写真からも感じていただけるだろう。
ボディには軽量でストレッチ性高いナイロンベースの撥水素材”Karu stretch Ⅱ”を新たに開発。この素材に部分的にGORE-TEX INFINIUMを掛け合わせたことで、防水透湿性のある軽量シェルにもなっているので、ただの「ポケットの多いジャケット」ではないというわけだ。
フードも襟の部分に格納されており、雨中を歩いたり自転車に乗る時にも使えるようになっているなど、当たり前のように嬉しい機能が満載。しかし、この「コンボイジャケット」の真骨頂はここからだ。
なんと、ジャケットがデイパックへと変身するのだ。
正直、「これ、要ります?」という機能ではあるが、ジャケットの状態からぐるりとジップを一周させると軽量のデイパックが出来上がる。このとんでもなく複雑な機構を考えて、実装したデザイナーと生産者の執念には恐れ入る。勝手な予想だが、「alk phenix復活記念で、とんでもないものを作ってやろう」という意気込みもあったのではないか。
このコンボイシステムのことは傍に置いても、デザイン、機能的にこれを好きだと感じる人は意外と多いはず。いきなりとんでもないモノを送り込んできたalk phenix、これからも目が離せそうにない。
[INFORMATION]
alk phenix
Convoy jacket / Karu-Stretch Taffeta II x GORETEX SUPER LIGHT
¥79,200
素材 : 表地 ナイロン100% / 裏地 ナイロン96%, ポリウレタン4%
重量 : 0.820kg
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alk phenix store
https://www.phenixstore.com/c/alkphenix/eam22ot03