THE NORTH FACEのUndyed Mountain Jacket
日本の四季がはっきりしているせいなのか、はたまた日本人が凝り性なのか。機能的な素材、ディティールを備えたタウンウェアは日本で数多く醸成され、世界からも注目されている。そんなファッション×ファンクションなプロダクトをHONEYEE.COM編集部で厳選し、毎週1アイテム紹介する「今週のシティテック」。#13はTHE NORTH FACEの無染色素材によるUndyed Mountain Jacket。
Edit&Text Yukihisa Takei
アウトドアブランドだからこそ生まれた無染色という発想
いまさらTHE NORTH FACEの人気について語るのもどうかと思うが、どれだけ一般化したとしてもこのブランドの安心感と信頼は強固なものだ。本気のアウトドアブランドでありながら、スペックを街の仕様に合わせたプロダクト展開も早かったし、実際にそれは街に根付いた。
街に根付くということは大量に生産をすることと隣り合わせであり、自然というフィールドに向けてプロダクトを開発するメーカーにとっては、自社の商品の生産が環境への負荷に加担していないか、というパラドックスに向き合うことになる。
各メーカーがプロダクト生産における環境負荷軽減に向けて動いているが、他ならぬTHE NORTH FACEも、これまで数々の試みを行なってきた。
今回紹介するのは、そんなTHE NORTH FACEの環境への配慮が製品となった一着だ。この“Undyed Mountain Jacket”は、その名が示す通り、“無染色”のマウンテンジャケット。
街では黒やダークトーンのカラーの人気があるが、アウトドアにおいては視認性の高さが重要。今回のモデルはアウトドアブランドとしては思い切った白というカラーだが、これはあえて無染色の白というチョイスをした結果によるもの。
無染色にする理由、それは製造工程の中でももっとも水を必要とする、「染色の工程を省く」という命題に向き合ったからだ。
それでもGORE-TEX®搭載のハイスペック
もちろんこのプロダクトは、ただの無染色ジャケットではない。75デニールのリサイクルポリエステルの無染色基布を用い、GORE-TEX®3層素材を使用しているので、しっかりアウトドアスペックを備える。その一方でタウンユースに適したデザインにするべく、ゆったりとしたサイズ感になっているのがシティテック的だ。
そしてこのプロダクトに合わせて余分な部材を削り、裾をシャーリングゴム仕様にするなど、ミニマルなデザインになっており、THE NORTH FACEの“機能がデザインを決定する”という製品哲学も反映されているようだ。
そして無染色にこだわった結果生まれたと思われるエンボス加工のTHE NORTH FACEロゴも都会的。アウトドアジャケットは着たいけど、ロゴが気になると考える人を納得させるデザインの一着と言えるだろう。付属のスタッフサックに収納が可能な点も付け加えておく。
[INFORMATION]
THE NORTH FACE
Undyed Mountain Jacket ¥39,600
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THE NORTH FACE
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