BUYERS' RECOMMEND | あのバイヤーが推す最旬アイテム
Vol.28:IVORY、YURAGI編
ファッション業界の最前線で活躍するバイヤーの目利きに頼って選び抜かれたアイテムを、リアルなコメントと共にHONEYEE.COMが連載形式で紹介しようというこの企画。第28回目はIVORY、YURAGIから2名の名物バイヤーが登場。
Text Takaaki Miyake
IVORY
富山県内で7店舗のセレクトショップを運営する MAKES グループは、単に多店舗展開をするのではなく、それぞれ異なるコンセプトを掲げて発信をしている。中でも 「IVORY」 にはアウトドア派でもインドア派でも、はたまた気軽にも真面目にも、とにかくお洒落を楽しみたい人へスタイルを提案。そんなフレンドリーさを感じさせる同店のバイヤーとして活躍する、西塚さんイチオシのアイテムとは?
「希少価値が高いベビーアルパカを使っているため、軽くて暖かく、そして丈夫と三拍子揃い踏みです。そこにウールをブレンドして、ナイロンを糸芯に使用することで強度を保ち、保湿性や保温性にも優れています。通常よりも大きなクラシックなバーズアイ柄は、クラシックなパターンでありつつ現代にも新鮮に映るように表現したデザイナーのこだわりが垣間見えます。
肩を落として身幅と袖周りはゆったりとさせたサイズ感と、バランスも良いので誰が着ても綺麗なシルエットに仕上がると思います。肌寒い季節に差しかかるとデニムやカットソー、シャツなどとスタイリングしたくなる、高級感と抜け感が共存するカーディガンです」
ソフトでぬめり感のある肌触りに仕上げた blurhms のニットカーディガンは、クラシックでありながら、堅苦しさがなく気軽に着こなせる魅力を詰め込んだ。前立てと袖口には向きの違うバーズアイをあしらい、メリハリのある表情もポイント。ユーティリティ性の高いアイテムなだけに、「コレ!」という1着に辿り着くまでに苦労しがちなカーディガンだが、毎日でも着たくなるような良い意味で“邪魔をしない”重宝しそうなアイテムだ。
blurhms
Alpaca Bird’s-eye Knit Cardigan ¥63,800
IVORY
https://www.makes.jp/c/IVORY
https://www.instagram.com/ivory_toyama/
西塚潤一
IVORYメンズバイヤー
メンズ担当バイヤーながらも、性別やジャンルにとらわれずに着飾ることを楽しんで欲しいという思いを持って日々店頭に立つ。
YURAGI
東北地方の最北、青森県は弘前市にお店を構えるセレクトショップ YURAGI では、Graphpaper や refomed、SHINYA KOZUKA など実力派国内ブランドが顔を揃える。その名だたるブランドの中からバイヤーの三上さんにレコメンドアイテムを聞いた。
「2019年秋冬シーズンから取り扱う YOKO SAKAMOTO からのアイテムです。元々生地や着た時の雰囲気が好みだったのですが、数シーズン前からオリジナルファブリックの割合が増え、ブランドとしてのステージが一段階上がったように感じました。デニム、スウェット、ツイードシリーズとオリジナルの生地を使用したアイテムをオススメしたいところですが、今回ピックアップするのはブランド初となるダブルブレスト仕立てのライダースジャケットです。
素材には国産レザーを使用し、原料の仕込み段階から通常の倍以上の時間と手間をかけています。丁寧に水洗い・灰汁漬け・脱灰の前処理をする川西鞣しを用いた上質な素上げの牛革が魅力的です。染色と加脂を2度行う味わい深い色合いとソフトな質感に加え、シボが少なく品のあるルックスが素材としての特徴になります。
ブランドコンセプトにもある抜き差しというか、バランス感が上手なんです。バサッと羽織ってサマになるので、楽なのにカッコイイを実現したアイテム。素材とシルエットの独自の組み合わせで無骨なライダースのイメージを払拭した、幅広いスタイリングにも活躍が期待できるので、普段ライダースを手に取らない人にもオススメしたいです」
大胆なドロップショルダーが特徴的なオーバーサイズのライダースジャケット。フロントダブルブレスト仕立て、背面の裾にタックを施したボリューム感のあるシルエットには独自性を発揮。裏地にはキュプラを使用しているため、滑りの良い着心地がインナーに合わせるアイテムの幅も広げてくれる。またディテールをミニマルに抑えることで、一般的なライダースよりも上品に仕立てた印象に。
YOKO SAKAMOTO
Leather Riders Jacket ¥143,000
YURAGI
https://yuragi-onlinestore.com/
https://www.instagram.com/yuragi_hirosaki/
三上 慎太朗
YURAGI バイヤー
1986年生まれ、青森県出身。ゆったりしたサイズ感のスタイルを好み、暇さえあればアニメを観るか漫画を読んでいる。他にも音楽鑑賞を趣味にし、テクノやアンビエントを中心に市内クラブで自らイベントも主催をしている。