「現代アート×伝統産業」を東京・上野の旧岩崎邸庭園で披露
Text Yukihisa Takei
現代美術家として活動する舘鼻則孝は、日本の工芸技術と現代アートを融合させた作品で知られている。
その一つにレディー・ガガも愛用した「ヒールレス・シューズ」があり、作家自身の世界的知名度を上げたが、それを含めた作品も海外の美術館にも収蔵されるなど、館鼻は日本の現代美術の中でも常に注目の存在となっている。
その舘鼻によるディレクションの「江戸東京リシンク展 -旧岩崎邸庭園でみる匠の技と現代アートの融合-」が東京・上野の旧岩崎邸庭園で2024年3月1日(金)に開幕した。
今回の展示は江戸東京の伝統に根差した技術や産品などを新しい視点から磨き上げ、世界へと発信していく「江戸東京きらりプロジェクト」の一環ともなっており、昨年春にも小石川後楽園で開催された展示の続編となっている。
今回は東京の伝統産業である7つの事業者と協業した作品が展示。
江戸うちわ・江戸扇子の伊場仙、江戸刷毛・東京手植ブラシの 宇野刷毛ブラシ製作所、江戸組子の建松、新江戸染の丸九商店、和太鼓の宮本卯之助商店、東京くみひもの龍工房、金唐革紙の金唐紙研究所といった、卓越した技術を継承する事業者たちと作品を制作している。
舘鼻らしいヒールレスシューズや、伝統を踏まえた上での新たな視点を持ち込んだ作品群が、重要文化財である旧岩崎邸庭園の洋館と和館に展示されている。それぞれ異なる用途の部屋の作りに合わせるかのように、現代的視点によって生み出された作品が存在感を放っており、その建築空間の中で鑑賞することでさらに伝統文化の可能性を感じるものとなっている。
会期は3月10日(日)までと比較的短いので、早めに足を運ぶことをおすすめしたい。
[INFORMARTION]
「江戸東京リシンク展 -旧岩崎邸庭園でみる匠の技と現代アートの融合-」
会場 : 旧岩崎邸庭園(東京都台東区池之端1-3-45)
会期 : 2024年3月1日(金)〜10日(日) 9:00〜17:00(最終入場16:30)
入園料 : 一般 ¥400 / 65歳以上 ¥200 ※小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料
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「江戸東京リシンク展 -旧岩崎邸庭園でみる匠の技と現代アートの融合-」
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